Bluesが落ちてきた。
1976年、中学1年生の時にBeatlesと出会った。
当時、1ヶ月の小遣いが1,500円。
Beatlesのアルバム(LPレコード)は、1枚2,500円。
輸入盤や貸レコードなども無い時代、
自分で買うか、友達に借りるかしか
その音に触れることが出来なかった。
数年前、既に解散していたBeatles。
ポールが率いるWingsはヒットを飛ばしていましたが、
中1では洋楽よりも圧倒的に邦楽が人気。
同級生達はキャンディーズやピンクレディ、山口百恵などに夢中。
2ヶ月に1枚のペースでBeatlesのレコードを買うことにする。
当時発売されていたBeatlesの公式アルバムは14枚。
途中、お年玉などの臨時収入もあったが
14枚全部を手に入れるまでは2年近くかかった。
1枚のアルバムを買うと、次の1枚を手に入れるまで、
毎日、毎日そのアルバムを聴き続ける。
まだ自分専用のオーディオも無く、
常にリビングに置いてあるステレオセットの前に陣取っていた。
(1年後ぐらいにラジカセを買ってもらい、自分の部屋で聞けるようになるが。)
それだけの集中力を他のことに使っていたら
その後の人生も大きく変わっていたのだろうと思うのだが
それはそれで価値のある時間を過ごしたとも思っている。
さてBluesが落ちてきた話。
BeatlesもBluesがバックボーンにあるのですが、
Beatlesを聴いてそのままBluesにとりつかれる事はあまりないだろう。
現に僕もBeatlesからそのままBluesへと流れていかなかった。
「Yar Blues」など、BeatlesにもBluesを前面に出した曲はあるが
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ひとつのきっかけの曲は「While My Guitar Gently Weeps」。
この曲でリードギターを弾いていたのがエリッククラプトン。
少し後になってからその事を知り、
エリッククラプトンの音楽にも興味を持つようになっていく。
その時は高校生になっていたので、バイトもするようになり、
中学生時代よりも金銭的な余裕が出来ていた。
そして、エリッククラプトンからロバートジュニアロックウッド、
Tボーンウォーカー、マディウォーター、BBキングなどなど、
Bluesの巨人達へと興味は移っていく。
いつの間にか、僕の生活はBluesに満たされていった。
例えばマディウォーター。
初めて聴いたときは、「こんなギトギトした音、とてもずっと聴いていられない」ぐらいに思っていた。
ところがある日、何気なくマディのCDをかけて本を読んでいたときに、
グィっと身体の中に入り込んできた。
本を読んでいたはずなのに、
耳が自然と音を追いかけていくような感じ。
この瞬間、僕にBluesが下りてきました。
Bluesの世界、Bluesの生まれた世界、ブルースマン達の生き様、
それらには僕の生活と共にあり、人生の指標ともなっています。
そんなBlues好きのオヤジの戯言におつきあいください。